契約のためならお客様に嘘もつくし、商品もどんどん安売りする。
そんな営業方法に罪悪感もあるけど、目標達成のためなら本当に何でもして良いの?
という疑問を解決します。
営業マンは目標達成のために日々数字を追っていると思いますが、目標達成のためなら何でもやって良いわけではありません。
数字にはコミットすべきですが、営業マンとして絶対にやってはいけないことがあります。
この記事では、目標達成のため「だけ」で数字を追ってしまうと営業マンとして終わるという話を、僕の体験談も合わせて説明します。
目標達成することが目的になると起こること
目標達成のことだけを考えている上司は、営業マンに対し「どんな手を使ってでも数字を取ってこい」と言います。
成果が上がっていない営業マンに対しては、なぜ契約が取れないのかという理不尽な詰めを毎日するでしょう。
そんな状況が続くと営業マンは上司に恐怖を感じ「いかに詰められないようにするか」を考えるようになります。
そうなるとまともに数字の報告すら出来なくなり、結果下記のような行動に出ます。
お客様に嘘をついて契約を取る
目標達成のためなら、お客様に嘘をついてでも契約を取ろうとします。
出来もしないことを「出来ます」と言ったり、実際には得られないような結果が得られると誇大広告のような営業トークをして、お客様を騙して契約にする。
僕も営業なので多少の期待値を盛って伝えることはありますが、嘘をついてまで売るのは営業失格です。
お客様からのクレームにもつながりますし、結果誰も幸せになりません。
契約本数のために安売りをする
目標達成のためなら、商品の価格をどんなに安くしてでも売ろうとします。
特に「契約本数」が目標として設定されている会社だと起こりやすいのではないでしょうか。
お客様としては、良い商品が安く買えるのは嬉しいかもしれませんが、その売上金額が自分たちの評価や最終的には給料として還元されます。
結果営業マンが幸せになりません。
架空契約する
目標達成のためなら、 取ってもいない契約を取ったことにしてしまいます。
これが一番最悪です。
契約後の確認フローが整っていない会社だと起こりうることです。
契約を取ってもいないのに上司に「契約取りました」と嘘の報告をして、数日後に白紙解約になったなど適当に理由つけてつじつまを合わせます。
契約後の確認フローの甘さの穴を突くようなセコいやり方です。
そんな絶対バレることして何になるの?と思うかもしれませんが、数字の恐怖で追い詰められた営業マンはこんなあり得ないことまでやってしまいます。
完全に目標達成が目的になってしまっている状況です。
目先の目標達成したとしてもいろいろ失う
上記のような方法で仮に目標達成したとしても、遅かれ早かれ必ずバレますし、目には見えないいろいろなものを失ってしまいます。
仕事に対する自分のプライドや誇りを失い、罪の意識、虚しさ、なんかモヤモヤしたものが心に残り続けます。
目標達成してるはずなのに、胸を張ってやりきったと言いきれない何かが引っかかる状態。
周りが頑張っているなかで、自分だけ誠実な営業をしていないことへの罪悪感を背負うことになります。
結局、ダサイことは自分が一番よくわかっているので、自分の心が痛み、自己嫌悪におちいる。
目先の目標達成を優先した結果、いろいろ失うとはこういうことです。
目標未達成は悪ではない、結果を受け止め改善する
まず目標達成のために「どんな手を使ってでも数字を取ってこい」という考えは間違いです。
目標達成することは目的ではなく、何のために目標達成する必要があるのかを営業マンが理解しているかが重要です。
「何のために」は人それぞれで、出世や、インセンティブや、自己成長のためなどあると思いますが、これが「目的」です。
その目的に到達するためにズルをしてまで目標達成したとしても、どれも実現できないですよね。
たとえ目標未達成だったとしても、結果をしっかり受け止めたうえで「これからどうするか」を考えて改善していく方が、成長も感じれますし目的に近づけるのではないでしょうか。
無理やり目標達成することより、未達成だったときのマインドの持ち方、考え方の方が何倍も大事だと僕は思います。
【体験談】口約束で契約を交わし、数日後に白紙になる
これは僕の体験談なのですが、今の会社で営業1年目のときのエピソードになります。
あと1本で目標達成できそうという状況のときに、月末ギリギリで前向きな案件が出来ました。
今でもそうですが、会社からも上司からも「何としてでも目標達成しろ、達成こそが正義」というような雰囲気があり、達成するまで会社に戻ってこなくて良いくらいのことを言われていました。
その恐怖で、未達成で終わったという報告なんて出来る状況ではありません。
僕は何としてもその案件を契約にしたいのですが、どうしても来月にならないと結論出せないとお客様に言われてしまいます。
考え抜いた結果、来月の頭には契約してくれるという口約束をお客様と交わし、契約を取ったと上司に報告していました。
それで上司には褒められ一時的には目標達成ということになったのですが、嘘の報告をしたことにどきどきしている自分がいて素直に達成を喜べませんでした。
その数日後にお客様から連絡があり、状況が変わったのであの話は白紙にしてほしいと言われてしまいました。
契約は入らず、契約書も無いので架空契約という扱いになり、最終的に上司にクソほど詰められて自分の評価も落とすという結果になりました。
その経験をしたときに、もう二度とこんなことしてはいけないと心に誓ったのを覚えています。
仮にあのまま翌月に契約になっていたとしたら、別の商談でも同じことを繰り返し、その度に仕事に対するプライドや誇りを失い続けていくことになったと思います。
まとめ:目標未達成で「これからどうするか」が大事
目標達成のため「だけ」で数字を追ってしまうと営業マンとして終わるいう話をしました。
目先の目標達成のためなら何をやっても良いわけではなく、目標達成が目的になってしまうとおかしなことになります。
目標未達成は悪ではなく、その結果を受け止めて「これからどうするか」を考えることが一番大事です。
自分で自分のことを嫌いにならないように、本来の目的は何だったのか、自分が本当に納得のいく営業ができているのか冷静に見直しましょう。
コメント