なぜ両者が対立するのか理由を知りたい。
職場でギスギスしたくないので解決方法を知りたい。
という疑問を解決します。
営業マンとエンジニア(デザイナー)が対立している、仲が悪いという会社は多いと言われています。
ですがお互いが連携できなければ、組織として大きな成果を出すのは難しいです。
僕はこれまでIT企業のなかでデザイナーを4年間、営業を4年間やってきておりますので、このような現場を見てきましたし、両者の気持ちが非常にわかります。
この記事では、なぜ営業とエンジニア(デザイナー)が対立するのかと、その解決方法についてまとめます。
営業とエンジニア(デザイナー)が対立する理由
営業とエンジニア(デザイナー)の両者の間には、なかなか埋めることが難しい「大きな溝」が存在しています。
なぜ対立してしまうのか、両者にはそれぞれの主張がありますが、下記のように感じていることが多いのではないでしょうか。
多少の無茶はしょうがないと思っている営業マン
お客様から契約を頂くためには、多少の無茶はしょうがない。
他社の商品と比較されて価格面での交渉もされるし、頂く要望や納品スケジュールなどもなるべくお客様の希望に合わせないと競合に勝てない。
営業は苦労して会社の売上を持ってきているんだから、エンジニアは文句言わずに対応してほしい。
営業としては、売上の獲得がミッションとなるため、契約を頂くことが最優先になりがちです。
そうなると、顧客折衝のなかでお客様の無理な要求を受け入れざるを得ないことも多いです。
また営業マンは自分たちが会社の売上を持ってきているという自負があるので、エンジニア(デザイナー)よりも上の立場だと勘違いする者もいたりします。
顧客折衝の辛さがわからないエンジニア(デザイナー)
営業がいつも無茶な案件を取ってくるおかげで、今日も遅くまで残業しないといけない。
他にも納期が迫ってる案件もあるからスケジュール調整も大変。
大幅に値引きしてくるけどもっと対応工数掛かるし、そもそも対応できない要件もあるけど事前に確認してないでしょ?
いくらお客様のためとはいえ、対応するこっちの身にもなってほしい。
エンジニア(デザイナー)としては、営業が取ってきた案件を期日通りに納品することが仕事です。
たくさんの案件を同時進行で進めていることも多いため、営業が無理なスケジュール設定をしてくると遅くまで残業しないと捌けないということにもなります。
また顧客折衝の辛さがわからないと、営業が何も考えずに値引きしたりお客様の要望をホイホイ受けて、自分たちに丸投げしているようにすら感じてしまいます。
営業とエンジニア(デザイナー)が対立する原因4選
上記のように、基本的にはお互いの相互理解の無さが対立する理由になっています。
ここからは、対立構造を作るよくありがちな4つの原因を紹介します。
- 目標設定が違う
- 評価軸、報酬が違う
- スケジュールや工数見積の基準が無い
- お互いの仕事をよく知らない
それぞれについて深掘りしていきます。
1.目標設定が違う
契約本数、売上を獲得して目標達成することが全て。
目標達成できない営業マンは存在価値無し。
そのため価格で競合に負けてしまうくらいなら、大幅な値引きもしょうがない。
納期を守ったり、高いクオリティの商品を納品することが目標。
なのに大幅な値引きや無理なスケジュール設定。
競合に負けないためって言うけど、そこをなんとかするのが営業の仕事でしょ。
営業マンは契約や売上を伸ばすことが目標なので、目標達成のためなら値引きをしてでも契約を頂こうと動きます。
ですがエンジニア(デザイナー)にしてみれば、自分たちが苦労して生み出した製品が簡単に値下げされて良い気はしません。
営業は数字目標に追われ、エンジニア(デザイナー)は納期に追われ続けています。
2.評価軸、報酬が違う
営業は契約や売上を獲得することで初めて評価される。
また成果あげた分だけインセンティブにも反映するし。
自分の評価や稼ぐためなら、どんな手を使ってでも契約にしないと。
こっちは営業と比べて明確な評価制度なんて無い。
なのにお客様の要望に応えたり納期を守るためには深夜残業・休日出勤は当たり前。
どんなに遅くまで働いても、時間分の残業代が全てもらえるわけではないから割に合わない。
営業とエンジニア(デザイナー)では業務内容が違うので当然と言えば当然ですが、評価軸や報酬は全く違いますし、会社によっては営業には成果報酬としてインセンティブ制度が設けられています。
一方でエンジニア(デザイナー)の技術力の見える化は難しいため、評価制度が明確になっていない会社も多いです。
それなのに案件の納期を守るために遅くまで働くので、実働の割に給料が少ないと感じる人もいるでしょう。
3.スケジュールや工数見積の基準が無い
契約頂くためには、なるべくお客様が希望しているスケジュールで納品できると言いたい。
要件や仕様もまだ詰まってないけど、まぁだいたい対応できるでしょ。
早く契約にしたいから、 受注後の細かいことはとりあえず後回しで良いや 。
要件や仕様も詰まってない状態では作業に取り掛かれない。
突然要件を変えられることも多いし、そもそもこんなスケジュールでは納品できない。
事前相談も無いのに無茶振りすぎるでしょ、コロス気?
とにかく営業の無茶振りが多いと感じているエンジニア(デザイナー)は多いです。
営業の現場ではスケジュールや仕様など、お客様にとって都合が良くなるように話すことはあります。
全てをバカ正直にお客様に伝えていては、受注までに時間も掛かりますし、契約までたどりつけないことにもなるからです。
無理なスケジュールや、営業が「できない」ことを「できる」と言ってしまい、そのしわ寄せをモロに受けるのがエンジニア(デザイナー)です。
また逆に、エンジニア(デザイナー)が見積もっていた工数よりも、実際に作業してみたら予想以上に時間掛かってしまい、営業やお客様に迷惑が掛かる場合もあります。
4.お互いの仕事をよく知らない
エンジニアってずっとパソコンに向かってるだけだからラクでしょ。
営業は日々目標に追われて上司からも詰められるし、お客様からクレームも言われる。
間違いなく営業の方が大変だよ。
営業は売ればインセンティブもらえるし、遅くまで働かなくて良いからラクでしょ。
エンジニアは納期に追われ帰りも遅いし、要件定義や仕様も考えながら頭使わないといけない。
間違いなくエンジニアの方が大変だよ。
圧倒的にコミュニケーションのロスによる、相互理解の不足が生じています。
どっちがラクとかではなく、どちらも非常に大変な仕事です。
ですがどちらの仕事も経験していないので、完全に理解し合うことは非常に難しいです。
どうしても自分主体の見方になるので、相手に不満を感じてしまいます。
営業とエンジニア(デザイナー)が対立したときの解決方法
営業とエンジニア(デザイナー)が対立してしまう原因がわかったところで、その解決方法を紹介します。
- 組織的なルールの制定
- 打ち合わせにエンジニア(デザイナー)も同行する
- コミュニケーションで相互理解を深める
それぞれについて深掘りしていきます。
組織的なルールの制定
値引きやスケジュールに対して会社でルールを制定しましょう。
値引きについては「何%まで」と決めてしまい、それ以上の決裁が必要であれば上司に相談すること。
スケジュールについては、要件に対してどのくらい期日が必要なのか一覧にするなどして見える化し、判断がつかない要件は必ず事前相談すること。
そしてそれらのルールが守られていない場合は、評価や報酬に対して何かしらのペナルティをつけるというところまで決めると良いです。
そうすれば営業とエンジニア(デザイナー)が同じ基準を元に話すことができるようになります。
打ち合わせにエンジニア(デザイナー)も同行する
無理なスケジュールを防いだり、細かい要件定義をするのであれば、打ち合わせの段階からエンジニア(デザイナー)を同行させるのが良いです。
その場で「できる」「できない」の判断ができますし、要件や仕様も詰めていけるので制度の高い工数見積が出せます。
なにより開発者が同席するだけでお客様も安心します。
またお客様から契約を頂くという共通の目的ができるので、より協力関係を築くことができます。
コミュニケーションで相互理解を深める
お互いの仕事の理解を深めるために、コミュニケーションを意識して取りましょう。
正直、コミュニケーションさえ取れていれば全ての問題が解決すると言っても過言ではないくらい重要です。
お互いの人となりを知れば「この人の言うことなら多少無茶でも頑張ろう」と思えるものです。
方法としては、ランチの時間や飲み会の場を利用するのが良いです。
また上司の立場にある方は、そういったイベントなどを企画して、現場が働きやすいような環境を整えてあげましょう。
まとめ:営業とエンジニア(デザイナー)はお互いを尊重し合うこと
なぜ営業とエンジニア(デザイナー)が対立するのかと、その解決方法についてまとめました。
どちらの仕事内容も経験してみないと100%相互理解することは無理ですが、それは現実的に難しいこともあると思います。
そうしたときに、共通のルールを制定したりコミュニケーションを取り合うことで対立を防ぐことが可能です。
同じ組織に属している以上は、職種は違えど目的は同じはずです。
どちらかが歩み寄り、お互いの仕事を尊重できる関係性を築いていきましょう。
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