BNIってどんな組織なの?
朝の定例会に誘われたけど、どんなことをするの?
BNIでビジネスの拡大は本当にできるの?
という悩みを解決します。
BNIという組織を知ってますでしょうか?
営業マンや経営者をやっていると、BNIの定例会に一度は誘われたことがある人も多いかと思います。
その誘い文句も「経営者の集まりがあるけど来ませんか?」とか「もっと紹介増やしたくないですか?」など様々です。
僕は仕事の紹介を増やしたくて、過去に3年間BNIで活動していたことがあります!
BNIの正体とは、またどんなことが行われているのでしょうか。
この記事では、BNIとはどんな組織?ビジネスの拡大は本当にできる?という観点で紹介します。
BNIとは
BNIとはどんな組織なのかについて説明します。
BNIは異業種交流組織
BNIとはBusiness Network Internationalの略で、一言でいうと世界最大の異業種交流組織です。
1985年にアイヴァン・マイズナー博士により創立され、今では世界で74ヵ国で10000以上のチャプター(グループ)が存在し、28万人以上のメンバーが参加。
また日本国内だけでも290以上のチャプター、12000人以上のメンバーが活動しています。(※2022年現在)
1つのチャプターあたり20~60人ほどの経営者や営業マンで構成されており、参加している業種・サービスは様々です。
BNIの特徴はリファーラル
BNIの最大の特徴は「リファーラル」にあります。
リファーラルとは、ビジネスが発展する可能性のある人脈や顧客をメンバーに紹介することです。
チャプターのメンバー同士がお互いのビジネスや商品のことを深く理解し、リファーラルを出し合うことでビジネスの拡大を目指します。
そのため1つのチャプターにつき入会できるカテゴリー(専門分野)は、1名のみと限定されています。
例えば「不動産賃貸仲介」というカテゴリーのメンバーが既にいるチャプターには、同じカテゴリーの人が新たに入会することはできません。
そのため、メンバーの知り合いに賃貸の引っ越しを検討している人がいれば、確実にリファーラルを獲得することができます。
BNIの理念はギバーズゲイン
BNIが一番大切にしている考え方が「ギバーズゲイン(Givers Gain)」です。
これは「与える者は与えられる」という意味になります。
つまり「他の人にビジネスの機会を提供する」という考えをメンバー全員が持って活動することで、おのずと自分にもビジネスチャンスが巡って来るという考え方を持って活動しています。
余談ですが、ギバーズゲインと似た言葉に「ギブアンドテイク(give and take)」がありますが、意味は全く違います。
- ギブアンドテイク:何かを与えたら代わりに何かをもらう
- ギバーズゲイン:見返りを期待せずに与える
見返りを期待してしまうと、どうしても損得感情が出てくるのでリファーラルも出し合い辛くなってしまいます。
ギバーズゲインの精神で動くことで、結果的にお互いが利益を得ることができるという考えが大事ということです。
BNIの活動内容
BNIの主な活動内容について説明します。
毎週の定例会に参加
BNIでは毎週決まった曜日に定例会を開催します。
チャプターによって曜日は違いますが開催時間は朝7時~9時、メンバーは準備のため6時半には集まります。
会場はチャプターごとに指定でしたが、2020年のコロナ以降は全てのチャプターがZOOMを使ったウェブ会議形式で開催するようになっています。
非会員はビジター(ゲスト)として2回まで参加できます。
会場:各チャプターごとに指定(コロナ以降はZOOMで開催)
参加費:メンバーは前払いの会費、ビジター(非会員)は無料
毎週の定例会では、ビジネス勉強会、メンバーのプレゼンテーション、リファーラルの発表など体系的な進行手順に従って進行します。
そしてこの定例会には、下記の厳しいルールがあります。
- メンバーは毎週の参加が必須(6ヶ月以内に3回欠席で退会)
- メンバーは毎週の貢献が必要(下記のいずれか)
└メンバーへのリファーラル(紹介)
└定例会へビジター(非会員)の招待
└メンバーへの推薦の言葉(推薦状の作成)
毎週の貢献は数字で集計され、ある一定ラインを下回っていても退会になります。
この厳しいルールがあるからこそ、BNIではリファーラルマーケティングが成り立っていますし、本気でビジネスを伸ばしたいという人だけが残ります。
メンバーが自由参加だったり、できるときだけ貢献するような異業種交流会だったら、なかなか結果は出ません。
厳しいから、負荷をかけるから成果につながります。
メンバーとの1to1
BNIではメンバー同士の1to1(ワントゥーワン)を推奨しています。
1to1とは、メンバーと1対1で話す時間を設けて、お互いのプライベートのことやビジネスについて知り合うための時間です。
1回の1to1には少なくとも60分は時間を使います。
同じチャプターのメンバーといっても、お互いの人となりや商品について詳しく知っておかなければ、リファーラルを提供することはできません。
異業種同士の集まりなので当然ですね。
ですが毎週の定例会だけでは、メンバー全員のことを詳しく知るのは不可能です。
だからメンバーとの1to1を定期的に行い、お互いのことを知り合って信頼関係を深めていきます。
トレーニング(研修)に参加
BNIでは定期的にトレーニングを開催しています。
BNIを活用して、より効率的にビジネスの成果(売上や利益)を上げるかを学ぶための研修のようなものです。
定例会と同様にZOOMを使ったウェブ会議形式で受けることができます。
トレーニングには様々な種類があり、中には受講が必須なものも複数あります。
またトレーニングは平日の日中に開催されることが多く、一度の受講で1時間~3時間くらい掛かるものもあるので、本業との時間調整が必要です。
BNIでビジネスの拡大は本当にできるのか
結論、ビジネスの拡大はできるが「どれだけ時間が割けるか」と「業種・サービスによる」というのが僕が3年間BNIで活動して感じたことです。
本気でBNIに取り組めばビジネスの拡大ができるのは間違いないでしょう、それはBNIの組織規模や過去の実績を見れば明らかです。
ではネックになる「時間」と「業種」について深堀りしていきます。
どれだけ時間が割けるか
これまで説明したように、BNIを続けるにはたくさんの活動へ参加が必要です。
- 毎週の定例会に参加&貢献
- メンバーとの1to1
- トレーニング(研修)に参加
上記以外にも、チャプターの役職に就いたら定例会の準備や会議にも時間を割く必要が出てきます。
これらの活動をしっかり行わないと、BNIで成果を上げるのは難しいです。
毎週の定例会は早朝なので問題無いのですが、1to1やトレーニングには平日の日中の時間をまぁまぁ取られます。
また毎週チャプターへの貢献が必要なので、メンバーへのリファーラル探しや、ビジターの勧誘など本業そっちのけで時間を使うようになってしまったら本末転倒です。
経営者や個人事業主なら、時間調整はある程度自分でコントロールできるので、BNIの活動に時間を割けるでしょう。
ですが営業マンや従業員にとっては、本業の目標数字を追いながらBNIにも時間を使うことになるので単純にキツイです。
僕は営業マンなので、慣れるまでは会社とBNIの両立が非常に難しかったです。
会社では目標数字に追われ、BNIでは活動への参加とチャプターへの貢献に時間を使い、なかなかの忙しさでした。
業種・サービスによる
BNIに参加してみてわかったのですが、BNIに合わない業種・サービスはあります。
下記に該当する場合は、かなり苦戦することになるでしょう。
- 専門的な知識が必要なBtoB商材
- コンサルやカウンセリングなどの無形商材
- ターゲットやメリットが不明確な商材
僕がBNIで活動していた頃を思い返すと、上記の商材を扱っているメンバーは苦戦するか、長く続けられずに退会していく傾向にあります。
上記がBNIに合わない理由として、チャプターのメンバーが自分の知り合いに紹介する際に、なんて説明すれば良いかわかり辛いからです。
リファーラルを出してくれるチャプターのメンバーは、アナタの専門分野に対しては素人です。(それを埋めるために1to1をするのですが)
そのため専門知識が必要で難しかったり、メリットを説明し辛い商材は、得られるリファーラルが極端に少なくなります。
逆に専門知識が不要で、メリットがわかりやすい商材は、多くの顧客をイメージしやすいのでたくさんのリファーラルを得られます。
あくまで例ですが、下記のような場合が該当します。
- 仲介手数料を安くできる不動産賃貸仲介屋さん
- 美味しくてオシャレな空間を提供できる飲食店
- プレゼントの場面に合わせたお花を選んで届けてくれるフラワーショップ
上記はあくまで例であって、BNIでは工夫次第でリファーラルを獲得する方法はいくらでも考えられます。
ですがBNIならどんなビジネスでも拡大できるかというと、難易度に違いがあるということは知っておくべきでしょう。
上記はあくまで僕個人の感想ですが、大きく外れていないと思います。
僕は専門的な知識が必要なBtoB商材を扱っていたので、3年間のBNI活動で得られるリファーラルは満足いくものではありませんでした。
BNIに入会するメリット
BNIに入会するメリットは下記です。
- リファーラルマーケティングでビジネスを拡大できる
- 勉強になることが多いのでビジネスの視野が広がる
- 朝型の生活習慣を身に付けられる
- 心から信頼できる人脈形成ができる
基本的に営業が必要な業種・サービスであれば、BNIを活用するメリットはあります。
BNIを上手く活用すればビジネスを拡大できるのは間違いありません。
人によっては、BNIを活用したことで人生変わるくらい売上伸ばしてビジネス成功している方もたくさんいます。
またメンバーとの1to1やトレーニングなど、ビジネスについてかなり勉強できることは多いです。
普通のサラリーマンであれば、たくさんの経営者と話せる機会なんて無いので、それだけでも貴重な経験になります。
そしてBNIの活動を通して、チャプターのメンバーと仲良くなることができます。
悩みがあれば相談しますし、プライベートで遊びや飲みに行ったりもできる関係になれます。
社会人になって、会社の同僚以外で心から信頼できる人脈が作れるのはなかなか無いでしょう。
僕がBNIに入って一番良かったのは、心から信頼できる人脈が作れたことです。
BNIを辞めた今でも関係性が続いています。
BNIに入会するデメリット
BNIに入会するデメリットは下記です。
- 年会費が結構高い
- かなり時間を割く必要がある
- 業種・サービスによっては結果が出し辛い
- 結果が出るまで時間が掛かる
- のめり込みすぎて本業がおろそかになる可能性がある
まず一番のハードルに感じるのは、年会費が結構高いことでしょう。(詳しくは後述)
年払いのため最低でも1年間は続けないと損すると思うと、踏み止まってしまう人は多いです。
その割にBNIは一獲千金のスキームではないので、結果が出るまである程度の時間が掛かります。
毎週の定例会に参加して、メンバーと1to1して、トレーニングも受講して、BNI活動に時間を使ったからといってビジネスが拡大するとは限りません。
またなかなか結果につながりにくい業種・サービスもあります。
ですが自分の売上が上がっていなくても、チャプターに毎週貢献しないと退会になってしまいます。
メンバーへのリファーラル探しに時間を割いて本業がおろそかになっては、それこそ本末転倒です。
BNIで上手くいった先輩方は「BNIの使い方が悪い」「すぐに結果は出ない」など言われるかもしれませんが、人によって頑張れる期間に限界はあります。
僕は3年間頑張りましたが、満足いく結果を得られませんでした。
払っている年会費と得られる結果のバランスを考えたときに、辞める決断をしました。
BNIに入会するための流れと会費
BNIに入会する流れと、会費について説明します。
BNIに入会する流れ
BNIに入会するためには、下記の手順を踏む必要があります。
- 誰かの紹介で定例会にビジターとして参加する
- 定例会後の説明を受ける
- 申込書を提出する
- 年会費を支払う
- チャプターのメンバーと面談を行う
- 問題無ければ入会
BNIは誰でも入会できるわけではありません、申込書を提出した後にちゃんとした審査があります。
審査では、ネットワークビジネスや風俗のような怪しい商材じゃないかのチェックをします。
年会費を支払った後に審査で承認されなかった場合は全額返金されるので、申し込むリスクはありません。
BNIの会費
BNIの会費は下記の通りです。
登録費(初回のみ) | 30,000円 |
年会費 | 120,000円 |
消費税(10%) | 15,000円 |
合計金額 | 165,0000円 |
入るチャプターによっては「チャプター運営費」というのが別途掛かる場合もあります。
年会費の為、上記の金額を銀行振込で一括で払う必要があります。
1年ごとの更新のため、2年目も継続する場合は年会費と消費税(10%)で135,000円が掛かります。
これを高いと捉えるか、今後のビジネス発展のための投資と捉えるかはアナタ次第です。
まとめ:BNIは活用のしかた次第
BNIとはどんな組織?ビジネスの拡大は本当にできる?という観点で紹介しました。
BNIは工夫次第でいくらでもビジネスを伸ばせる可能性があります。
僕は残念ながらBNIで期待していた成果は上げられませんでしたが、全然後悔はしていません。
確かに高い会費は払いましたが、お金には代えられない経験や人脈を得ることができたと本気で思えるからです。
これらは会社に属するだけでは絶対に得ることができなかったでしょう。
それだけでも価値はあると僕は思いますが、せっかくお金と時間を使うのですから、肝心のビジネスでメリット感じたいですよね。
興味がある方は、よく検討したうえで入会することをオススメします。
下記は創立者のアイヴァン・マイズナー博士による書籍で、BNIやリファーラルマーケティングについて詳しく書かれてあります。
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